赤ちゃんが寝返りを打てるようになる
座ることができる
ハイハイを始める。
立ち上がれるようになる
歩けるようになる。
誰に教わらなくても、まるで設計図に従うように
子どもはそれらの発達段階を自然に迎えます。
それってすごいことではないですか?
子どもは赤ちゃんの頃から絶えず身体を動かしています。
眠っている時以外、決してじっとしていることがありません。
身体を使って外界に触れ、たくさんのことを学びます。
手足を動かす。ジャンプをする。走る。
スキップをする。寝転がる。木やはしごをよじ登る。
ブランコに乗る。でんぐり返りをする。鉄棒にぶる下がる。
平均台の上を歩く。シーソーや回転ジャングルジムに乗る。
それら一つ一つから
子どもは自分の身体の動きを学んでいきます。
自分の動きがわかってくると
それを投影するかのように
子どもは外の動きも自然と理解するようになっていきます。
人は自分の動きを通じて
世の中の動きや人の動き、また社会の動きをも
現実感を持って学ぶことができるのです。
「運動感覚」を身につけ、育てることのできた人は
身をもって外の動きや流れを理解していきます。
体験的に得た理解は
頭での理解とは違って生きた理解ですから
応用性や柔軟性を持ち、
多様に発展していきます。
過去と現在と未来といった時間の流れも「動き」です。
一つのことがどこからきてどこへ行こうとしているのか。
一つのものが何からできて何になっていくのか。
政治や経済の流れ、時代の流れ、物事の流通、季節やこころの移り変わり。
そのような「動き」が身をもって理解することができれば
過去から学んで未来につなげていくことも容易になるでしょう。
「運動感覚」の可能性は私たちの気づかないところで
果てしなく広がっていきます。
子どもを無理にじっとさせておくよりも
たっぷりとカラダを使わせてあげてほしいものです。