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光の子育て
生きる力のたっぷりな子になーれ!
わたしを生きる

「老いる」ということ

「健康」はいつでも人が求めてやみません。

「長生き」を人生の目標にされている方も多いでしょう

人の「生き様」や「死」から

私たちはたくさんのことを学びます。

もしも「早死に」と「長生き」の道を選べるとしたら

あなただったら一体どちらを選びますか?

  • 「早死に」はまだ人としての可能性と生命力を使い果たす前の「死」ですから、とうぜんその「死」が周囲に与える影響は大きいものになります。周囲でその「死」を見守る両親、兄弟姉妹、友達…は、「早すぎた死」が作る大きな空白とともにその後の人生を生きて行くことを強いられます。「死」というものの容赦のなさと、「なぜ?」という、永遠に答えのみえない問いかけ、今自分が生きている不思議と向き合うことになるでしょう。「早死に」は「周囲の人」を成長させる道。
  • 長生き」の道は、徐々に朽ちて役に立たなくなっていく姿と向かい合うことで、「自分と周囲」を成長させる道。

 

去年友人がALD(副腎白質ジストロフィー)で亡くなりました。

六十一歳だったと思います。

自分のカラダが端の方から次々に自分の意志で動かなくなって

ベッドに横たわったままで何もできず

言葉をも失った後、動かせるのは眼球だけ。

それでも意識は最期まではっきりしているそうです。

そして終いには、ロウソクが燃え尽きて火が消えるように死を迎える。

おとぎ話の「だんだん石像になる」の実体験です。

カラダのすべての部分がまったく自分の意志で動かなくなったとき人は何を思うのでしょうか。

自分を表現する方法を奪われて、120%周囲のお世話になって

それでも自分の生を喜び祝うことができるものでしょうか。

その友人は発病からたったの3年で死を迎えました。

最後に言葉を失って気力が途絶えたのか、その後時間を置かずに亡くなったそうです。

 

長く生きる、老いていくということは

時間をかけて少しずつその状態に少しずつ近づいていく

その練習をしているのではないでしょうか。

今まで築いてきた収入や肩書きを手放していく

カラダの自由がきかなっていく

人のお世話になっていく

一緒に生きてきた人を失っていく

記憶が薄らいでいく…。

何も残っていない自分を

時間をかけて徐々に受け入れていく練習。

練習期間が与えられているというのは、神様のご慈悲でしょうか。

期間を与えられたら、人は本当にその準備ができるのでしょうか。

人は目に見えるもの、今まで作り上げてきたものを「失う」ことで

「素の自分」に戻っていく。

老いていく、死んでいくということは

今まで一生懸命築いてきた

自分の ”identity” の衣を次々に脱いでいく過程。

凡てを失った時に残る「素の自分」が何を思い、何を感じるのか。

その瞬間に備えるために、私たちは生かされているのかもしれませんね。

「自然体」の究極はそこにあるのかな。と思います。

 

動物達が揺るぎのない安心感をくれるのは

彼らが”identity”というものを意識していない存在であること。

彼らが生も死も、置かれた環境すべてをまっすぐ受け入れる

潔い存在であることに大きく由来しているのではないでしょうか。

 

自分の”identity”が溶けて亡くなったとき…

「わたし」に 一体何が残るのでしょう?

「わたし」には 一体何ができるのでしょう?

究極を考えていくと

その答えはたったの二つです。

  1. 恐れ、悔やみ、憎むこと
  2. 愛すること

あなただったら 一体どちらの道を選びますか?

戸惑うのも、怒りや感情が沸き立つのも、途方に暮れるのも、ヤケになるのも

生きている証。

カラダやココロがまだ動く間に、豊かにいっぱい、飽きるほど経験して

その灯が消える最後の瞬間に備えていきたいものです。

こころから応援しています。
ABOUT ME
内山千晶
オレゴン州ポートランドのシュタイナー学校で、小・中学生に23年間日本語を教えました。今は校長として、ポートランドワルドルフ学校で幼児から高校までの生徒たちだだけでなく、親御さんや先生方、学校、地域、そして米国ワルドルフ教育全体のサポートをしています。 ポートランドワルドルフ学校教頭。 アンティオック大学教育学部博士課程。 アンティオック大学教育学修士。 上級ワルドルフ教師のための治療教育課程修了。 北米ワルドルフ学校協会、学校代表。 北米ワルドルフ学校日本語教師のための研修主催者 人智学精神科学・教育学部門・天文学部門会員。 空間ダイナミックコース終了。 星智学のワークショップ、研修主催。 星智学リーディング。

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