「火」の気質を持つお母さんからのご相談です。
「うちの子気が強くて、気に入らないとすぐにカンシャクを起こします。」
「気持ちがおさまらないと、人や物にあたったりするので手に負えません。」
「自己主張が強くて、人の言うことを聞きません。」
「衝動的に手が出て、攻撃的というレッテルを貼られてしまいました。」
「悪気はないのですが、衝動をどうやって止めたらいいか困っています。」
「いつ機嫌が悪くなるかわからないので、公共の場に連れていけません。」
「火」の気質の子どもたちは
情熱的で生きる力に満ちています。
興味も、愛情も、気力も、勇気も、行動力もたっぷりで
何にでも自分を開いて、全身でぶつかって行きます。
何事にもあたって砕けろ。
世の中を体当たりで知っていくというパターンですから
この子どもに向き合うには
こちらも全身の気力と体力を使います。
ありがちな会話例
子:このゲーム買ってよ。
母:買ってもらえるのはクリスマスとお誕生日って決まってるでしょ?
子:えー?待てない。今すぐ欲しい。ねえ買って?
母:しつこいなー。ダメって言ったらダメ。諦めなさい。
子:やだー。お母さんなんか大キライ!(叩く)
母:いたーい!なにその態度(怒)!謝りなさい!
子:ヤダ!あやまんない。
母:そんな子はゲームなんかぜったい買ってもらえないんだからね!
子:もういい。
(自分の部屋に閉じこもって出てこない。物に八つ当たり。ご飯も食べない)。
母:もうわかったから。出てきてご飯食べてよ。ゲーム買ってあげるから今度。
子:ゲーム買ってよ
母:買ってもらえるのは、お誕生日って決まってるでしょ?
子:えー?待てない。今すぐ欲しい。ねえ買って?
母:買えないでしょ。決まりだから。
子:やだー!決まりなんて大キライ!(叩く)
母:叩くのはダメだね(きっぱりと)。お母さんぶっても何も変わらないし、余計に辛くなるだけ。気持ちわかるけどね。しばらく座って頭冷やしなさい。
子:・・・・(荒い鼻息)。
母:クリスマスが近いから、サンタさんに大きなカード書こうよ。XXX君の欲しいゲームくれるかもよ?
子:グリグリ・・・(クレヨンで絵を描く)。
「火」を健康に燃やすには
耐火性の素材でできたしっかりとした暖炉が必要なように
「火」の子を健康に育てるには
高い道徳心に貫かれた
はっきりとした大人の態度、決まりや枠組みが必要です。
暖炉の火が人を温め、生活を支えることができるように
強い意志の力が意味を持って生かされるような
建設的な指導が子どもを健康に導きます。
また「火」は完全燃焼できないと「黒煙」を発生させますので
「煙」を導く煙突も必要です。
それと同じように、「火」の子の「不完全燃焼」で発生した怒り(煙)を
上手にやり過ごすことが大切です。
「火」の子の強い意志がぶつかってきた時には・・・
- 道徳の境界線をはっきりさせて、絶対に曲げない(ダメと言ったらダメ)。
- できるだけ感情をからめない。
- 生活の決まりをはっきりと決めておいて、それを守るのがやりやすい。
- 家の仕事をさせる。
- ペットや庭木の世話をさせる。
- 役割を決めて実行させる。
- 疲れるまで外でたっぷり、体を使って遊ばせる
- 「火」から不満の「煙」が吹き出すのを覚悟で、それを冷静にかわす。
- 子どもの頭に上った血を冷ます時間を与える。
- ある程度時間が経ったら意味のある行動を与える(意志の方向性を変える)。
暖炉が与えられなかった「火」が
大きな山や野原を焼きつくしてしまうように
親の曖昧な態度の中で育った「火」の子は
衝動に歯止めが掛からない人へと育ちがちですので注意しましょう。
こちらはあくまでも「暖炉」。
子どもの「火」に影響されて
感情の「火」がついてしまわないように気をつけましょう。
特に「体罰」は子どもが人に手を上げるのを
親の態度で奨励してしまうので「厳禁」です。
この気質の子は正義感が強く、信念を持って人生に立ち向かっていける勇士です。
「火」の気質に合っている職業:弁護士、政治家、企業経営、各種リーダー、警察官、コーチ、登山家、冒険家、管理職、スポーツ選手、武道家、格闘家、革命家、土木業、農林水産業など。
行動力にかけてはこの気質に上回るものはありません。
過去にとらわれず、必要があれば
新しい視点を持って世の中を改革・進化させていけるのがこの気質です。
リーダーの素質を持って生まれた「火」の子たち。
- 物事の善悪を見極めることができる
- 人の気持ちや考えを理解することができる
- 人と協力することができる
は、人を効果的に率いるのにどうしても必要な条件ですので
これらが身につけられるように、指導していきたいものです。
「火」の子どもたちは
「世の中をよりよい未来へと開拓していく使命」を持って生まれてきました。
このタイプの子どもを育てるのは体力がいるし
一筋縄ではいかないことも多いでしょう。
けれどもお母さんの努力の一つ一つが
またお母さんが信念として持っている「道徳心」が
子どもを明日のリーダーへと、力強く育てていきます。
子育ては大切なお仕事。
子どものために、ご自身のために
そして社会と地球の未来のために
どうかご自分を信じて進んでください。
その中でご質問があれば、いつでもお受けしていますので
気軽にお声をかけてください。
お待ちしています。
内山千晶