「おだやかで、あったかくて、いつも優しいお母さん。」
子どもがお腹に宿った時には
そんな理想像に自分が近づいたような気がしたものです。
「太陽のように、周囲を明るく照らすお母さん。」になりたくて
一生懸命演じてみたこともありました。
でも子育ての現実がそんなに甘くないことは
始めてみればすぐにわかること。
子どもは親の限界を知っているかのように
私たちの知らなかった部分を見せつけてきます。
感情にまかせて怒ってしまった。
脅しをかけてしまった。
イライラして皮肉を言ってしまった。
誰かと比較して叱ってしまった。
励ましているつもりが強制してしまった。
冷たく突き放してしまった。
そのつもりないのに、つい出てしまう態度。
…あとになって胸がチクリと痛みますよね。
子どもの寝顔に向かって「ごめんね」って言った経験は
親であれば誰もが持っているのではないでしょうか?
覚えておいて欲しいこと
「今」に生きている子どたちは
大人のように、芯から根に持ったり
恨みをため込んだり
一度の失敗をもとにしてその人を判断しません。
子どもは雨が降れば雨やどりをし
太陽が顔を見せれば元気に遊びます。
ですから失敗を悔やみ続けるより
明るさと公平さをからりと取り戻すのが子どものためです。
失敗したなと感じたら
「ごめんね」の後に
「次の機会にはもっと上手くできるように頑張るから…。」
とつぶやいて、それを目標にして行動にうつすこと。
それができれば大丈夫。
子どもたちはこちらが謙虚であれば
いつでも私たちを許してくれます。
長年子どもたちと接してきましたが
なんども彼らのゆるしに救われ
たくさんのことを学ぶことができました。
子どもたちの寛容さには今も頭が下がります。
親も子も、一緒に育つために今ここにいる。
失敗を認め、ゆるし、ゆるされることはその第一歩です。
完璧で理想的なお母さんより
自分に正直で謙虚で人間味にあふれるお母さんの元で
子どもたちは失敗を繰り返しながら
のびのびと育っていけることでしょう。
ちょっと肩の力を抜いてもいいですよ。