中学生と口論になったら勝ち目がありません。
とんでもないことを言って食ってかかってきますから。
母:「やったでしょ?」
子:「やらないよ!」
母:「言ったでしょ?」
子:「聞いてない!」
母:「約束したじゃない」
子:「えっ?そうだっけ?覚えてない」
母:「もう、あてにならないんだから…。」
子:「本当に知らないってば。やってないし。聞いてない。
お母さんの方がやばいんじゃない?記憶。」
母:「……。」
このころの子どもは、起きてしまったことに何を言っても
まるで効き目なし。
こちらがイライラするだけで
結局はなんの解決も生まない…。
そこで提案です。
過去形を使うことを極力控え
現在形と未来形で指導する。
過去に生きがちな大人とは対照的に
思春期を迎えた若者は現在と未来に生きているので
過去のことを言ってもピンと来ません。
口論や会話の行き違いの原因の多くは
「意見の違い」や「見解の違い」ではなく
「住んでる時限の違い」からくるものです。
何か正さなければいけないことが起きた時
起きてしまったことを責めるのではなく
- その「現状」を伝える。(現在形)
- そして「次に同じことが起こらないために何ができるか」を話し合います。(未来形)
例えば:
「約束を忘れて友達を怒らせてしまった。」(過去形)時には
「約束を忘れたために友達が怒っている。」(現在形)ことを認めさせます。
そこから
「今から電話して謝ろう。」(未来形)
「次から忘れないために約束表を作って壁に貼ろう。」(未来形)
という形で導いてあげると
子どもは素直に従うことができます。
この年代の若者は
言葉や態度に表さなくても
間違いを犯したことはこころの中で感じているものです。
そこをあえて責められたり、くどくどお説教されることを繰り返しているうちに
大人に対する信用を失ってしまった若者達を
私はたくさん見てきました。
「現在形」と「過去形」の教えは
繊細な若者の気持ちを汲んだ、優しさのこもった教えです。
間違いを許す、慈悲の気持ちの表れです。
若者はその慈悲の気持ちに導かれて
再び「光」を放ち始めます。